ペットの痛み、しぐさで判定

asahi.com : ペットの痛み、しぐさで判定 獣医師ら基準作成めざす

ペットの犬や猫が感じている体の痛みに、飼い主や獣医師がどう対処すればいいのかを検討する「動物のいたみ研究会」を、獣医師らでつくる動物臨床医学会(理事長=山根義久・東京農工大教授)が始める。16日に大阪市でシンポジウムを開く。しぐさなどから痛みの程度を数値化し、痛み止め薬をうまく使う基準づくりを目指す。

けがの治療などは数多く行われているが、術後の痛みのケアが不十分な例も多い。ひどい痛みを我慢できずに縫い合わせた傷口をかみ切った例や、ストレスで胃腸の障害を起こした例もある。痛み止め薬をうまく使えば、食欲がでてきたり早くリハビリを始められたりして回復が見込める。

山根教授によると、ペットがじっとして震えていたり、触ろうとするとかみついたり、餌を食べなくなったりすると痛みを感じている可能性がある。けがが治っているように見えても注意が必要だという。

研究会では、犬や猫のこうしたしぐさから痛みの程度を判定する基準づくりをすすめ、来年度に公表する予定だ。体の大きさや品種、病気の種類などを考慮した対処方法も検討するという。

山根教授は「基準づくりをすすめて獣医師の意識を高めるとともに、飼い主へも痛みのケアの重要性を訴えていきたい」と話している。